真田広之 映画 ドラマ 音楽 舞台 CM 本 受賞歴

彩り河

彩り河  ■1984.04.14(125min.) 
 ■監督:三村晴彦
 ■原作:松本清張
 ■出演:真田広之 名取裕子 平幹二朗 渡瀬恒彦 米倉斉加年 三國連太郎 吉行和子  夏八木勲
 ■製作:松竹、霧プロ


若さと色香が見事にミックスされた素敵なジョーくんにウットリでございます。
金融業界や政界の闇色の部分と、人間の貪欲でえげつない部分をタヌキじじぃとして好演されている三國連太郎さんがお見事。
基本的には人としてのジョーくんの復讐劇な感じにございます。

 *****

場所は高級感溢れる夜の街・銀座。
その界隈で今にもマトリックスのネオを演って欲しいような出で立ちで爽やかに働いている若者がございました。
お名前は「ジョー」と言われます。
そのお仕事とは毎夜、混雑して車のつかまらない夜の街の
「お車二分以内、誘導サービス」。
これがなかなか好評でして夜の街でもちょっとした顔のジョーくんでありました。

ホストクラブで働けば確実にナンバーワンになれるのに(ワタクシなら溺れることは必須です)、健気にも堅実に労働されておいでです。
しかも、軽くひっかけたくなるような爽やかな笑顔で。
しかし、ジョーくんは女性なら誰もがクラッとしてしまう武器をお持ちなのにあえてそれは使われず(てか、後々にとっておく)、情報収集されておられるご様子なのです。
(たぶん、後半の流れからいくと)

前半はあまりジョーくんは活躍されません。
しかし、ポイントごとにふわりと登場され、ちらりと目で語られ、さらりとワタクシの心をわしづかみにされるのです。
とーっても観てる方にはわかりづらくジョーくんは行動を起こされている模様なのです。
まず、突然マトリックス業を辞められます。
(でもザイオンには行ってないよ。当たり前だバカ)

んで和子ママ(吉行和子さん)がお亡くなりになった後釜ママの文子さん(名取裕子さん)と、暗い部屋の中でカラーコンタクトも入れてないのに眼光を輝かせて「何か」を感じます。
「恋」?
(長いしー、北斎の荒波は出てくるしー)

この辺はなんだかわかりづらい心理描写なのですが、
唯一わかるのはジョーくんの心の高鳴りは「荒波」「さざ波」「凪」など
「波」で無理矢理表現されていることです。
しかも妙な音付き。ははは(脱力)

 *********

さて色んな情報を掴み、決意をして土砂降りのなかを歩いておられるジョーくん。
キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!
ワタクシ的にはここが一番の見所とみた!

 「水もしたたるいい男」
とはこの時に使うためにあるのですね!(誰に言うとんじゃ)

まさしくこの表現ぴったりの真田さん。腰が砕けそうです。
こんなにお若いのにどこに隠し持っていらっしゃったの?そのフェロモン!ビシバシです。

真田氏の現在に結びつくフェロモン満載な顔(今の渋さが垣間見える)
頭から水をかぶり夜の街を決意の面持ちで歩く。

そりゃ、たまたまタクシーでその傍を通り過ぎようものなら何のためらいもなく車に連れ込み監禁したくなります(アホ)
しかし、さすがはそこは大女優の名取さん。焦りは禁物。
すぐには接触されず、まずは窓越しに目ビームを送りジョーくんの反応を確かめます。

その間カメラ目線なジョーくん♪(* ̄ー ̄)v。
ここがもうセクシー通りこして観ている方は動機・息切れを覚えます。
観ている方の心拍数がそろそろ限界を感じたとき、やっとタクシー留めてドアを開けられます。
ずぶぬれのままタクシーに乗り込むジョーくん。

やはりこの展開だと待ち受けているのは濡れ場でしょう。
どこがって真田さんの身体と顔から溢れるフェロモンがさ。
またもやサイボーグな身体つきをされているのですが、撮り方がうまい(悦)
えろい( ̄〜; ̄)(段々おやじ化してるなー)

でもさー、ここでも「波」が満載(!)
しかも音付き。どーなのよ?この演出は?
(きっとこうでもしないとマジにヤバイ画になりそうだからとみた。)
でちょっと珍しいのはたいていの濡れ場は女優さんの表情アップで構成されがちなのに、
今回はジョーくんの表情が全面に押し出されていること。
しかも、途中に名取さんが吹き替えっぽいとこがある。(年だからかなー?)
んで最中に涙するジョーくんがご覧いただけます。
(やっぱりいつでも目の水分調節自由自在。ステキ)

翌朝。
雪の降る外を見ながら白い毛布を巻き付けているだけのふたり。
ここでジョーくんの生い立ちなどがわかり、やっと彼の正体がわかり、なぜ行動を起こそうとしているのかが判明します。
ここでは毛布の間から見える真田広之の筋骨隆々の胸板を拝見致しましょう、そうしましょう。なんか色っぽいなー真田さん(@ ̄¬ ̄@)ジュルリ♪ 。

 *******

さて、文子ママとジョーくんともう一人復讐をしたい男(この人の考え方が今イチわからないのですが)の計画が遂行されます。
今まで殺された人々と同じ手口での殺害を企てられます。
この時、赤いジャンバーに黒いキャップを被っている真田さんがな〜んかいいんだ。
少年の顔にしっかり「男」が宿ってて、胸に秘めたるものを持っている男から滲みでる色香をそこはかとなく感じてしまう私。

ここまでくるとジョーくんの魅力に引き込まれているわけでございますから、
薄暗闇の中で耳をそばだててる仕草とか、
勢い余って飛び出そうとする心持ちとか、
タヌキじじぃ(三國さん)に一言物申す!ってとこや、ナイフでぶすり、
返り血あびて気がつけば顔が真っ赤になってるとこなど、
このあと名取さんが高級そうなお着物を微塵も気にすることなく抱き締める行為に納得がいくのであります。

 ********

すべては終わりました。
(あれだけ殺害しておいて?という細かい事実はなかったかのように)
ここまでくるとこの映画のテーマな「波」じゃないのか?
と思わせるような結構、波の立ってる海岸にジョーくんと文子さんは腰を降ろしておいでです。

そこで、ジョーくんは昔の女の話しをされます。
波の音と解け合いながらも静かにゆっくりと。
口調は朗読っぽいのですが、言葉というか音というか重くもなく軽くもなく、でも単調な感じにもきこえない淡々とした語り口。
この場面は二人の後ろ姿のみ。

ここで「語り」のみで魅せる役者・真田広之。
若いころから天晴れなヤツだ。
人は生きていくうえで大切なものは何だろう?
失っていくものはなんだろう?
今を生きている僕たちはたくさんの犠牲の上にある。
しかし、人は時には愛を求めたりしながら生きている。
素晴らしいことなのか残酷なことなのか、この答えをだした人類を僕はしらない。
きっとどんなに時が過ぎても答えの出ないことってたくさんある。

ここで心がフワーッとなりかけた時にエンドロールとともに流れる歌声に撃沈!!
主題歌「bilieve in love」真田広之。
ぶしゅ---------------------っ( ̄TT ̄)鼻血ぶー)
ひょえーーーーーーっ。
始めて聞いたよ。真田氏の歌。声はまじイイッスね。
でも最後にこれとはおぬしもなかなかやるのう(誰に言ってんだ?)
あー、ビックリした。


彩り河

この時期、年上の女人と好演の多い真田氏。
大抵は幼い坊や、もしくは若者が年上に女人に憧れて恋に落ちるパターンだけど、これは何かが違う気がする。
なんかうまくは言えないけど「今」の真田氏に通ずる雰囲気を醸し出してる気がします。
しかし、名取さんはかわらないなー。この約5年後に坂本龍馬で龍馬(真田氏)の奥さん役を演られるんだよね?この時はたぶん年下の女の役。さすがは大女優さんだなー。

 真田さんこの頃はあえてアクションを避けておられた頃かな?(よく知らんが)
しかし、見事な表現力。演技の幅が一体どこまであられるんだろう?やっぱりスゴイ役者さんだ(やっぱり尊敬!)

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