真田広之 映画【必殺4 恨みはらします】

必殺4 恨みはらします

必殺4 恨みはらします

 ■1987,06,06
 ■監督:深作欣二  

 ■出演:藤田まこと 、真田広之、 千葉真一、 倍賞美津子 、村上弘明 、三田村邦彦 、 ひかる一平、 かとうかずこ、 相楽ハル子、 室田日出男、 堤大二郎、 岸田今日子 、成田三樹夫
 ■製作:松竹・朝日放送・京都映画


嗚呼、素敵。ウットリな奥田右京亮様。
大、大、大好きな必殺シリーズの深作版映画に今まで誰も見たことのないステキなお奉行様登場!! しかも、これは真田氏のために作られたと言っても過言ではございません。
(これもかいっ)

麗しい男の非道な出世物語りのウラに隠された哀しい過去。
濃い面々も一刀両断な雅びな右京亮様
これを表現できる麗しくて殺陣の素晴らしい役者は真田広之だけ!!

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 さて、今回もアップテンポに始まりまする「必殺仕事人」。たまりません。(>_<)
役所としてはお小姓上がりの新しい南町のお奉行様ですが、登場シーンから度胆を抜かされます。
ここで大爆笑するか、ウットリするかはあなたの感性次第です。

天女降臨か?と思わせるような白塗りメーク(花嫁か?)と華美な出で立ち。
深作監督の遊び心がいーっぱいです。
っていうか遊び過ぎでしょう、カントク。
しかも、似合うし、、、、、、、、、、、、真田さん!

右京亮様のお側に常に控えておられるお小姓さんたちも皆同じ格好をされています。
真田広之27才だと思われますが、まるで痛々しい少年のようです (始まったか?真田ワールド)
優雅な立ち振るまいと作られた無表情。
そして、鈴を転がすような雅びな声と涼やかな口調
(※これをオカマ口調ととるか否かはあなた次第。)
淡々と業務をこなしている割には度重なる事件の数々。

 不振に思い始める中村主水さん(藤田まことさん)。
早速、言い付けに行かれますが実は黒幕の右京亮様。
何事のなかったことにするように主水さんを脅します。
どんなことをするかと言えば、お部屋を真っ暗にして白塗りお小姓を後ろから迫らせる
しかも、無言、無表情で(これはコワイ、かなり恐いかも〜。)

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右京亮様がいらしてからオカシナことが続くので主水さんは色々を調べ始めます。
なっかなかわかんないだけどさー、「陰間上がり」かも、と言うことを聞いて右京亮様の過去が段々浮き彫りになってまいります。
そりゃあねー、あんだけ若くてキレイでこの出世なら
エライ方々をたらしこんだかも〜」って思うよね。
ま、実際その通りなんだけどさー。

しっかし、そんなことは一向に気にする気配のない右京亮様の行動は益々奇怪。
真夜中にお小姓二人引き連れて白馬にて「おけら長屋」の片隅にある「お菊地蔵」に花を手向けたり。
そこをたまたま見てしまった主水さんを右京亮様発見。
たっか〜いお声で馬上から傲慢な高笑いをされます(しかし、声高いな、君)

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派手なお寺に「秘密の部屋」がございます。
エライ人々はそこで夜な夜な「18禁」な戯れ言を楽しまれます。
(勝手にしやがれ。byジュリー)

実はその頃「上様」が夜毎「きく、許せ」ってうなされておいでなのです。
その「お菊」なる人物を調べだし、「おけら長屋」を更地にして菩提寺を建立しようと企てておられるのです。
そしたら、上様よくなるかなーって。

発案者は右京亮様ですが、
うらで糸引いてンのは老中酒井守さん(ミッキーこと成田三樹夫さん)。
このふたりきっと過去に関係があったのね。
どーも、この老中さんは「若くてキレイな男好き」らしい。
でもミッキー、顔恐ぇーよ(^^;;

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さて、今回あんまり目立たない仕事人の皆さんと一人色濃く目立ち過ぎの千葉真一さん
見所な殺陣もありますが、実はかなり吹き替え。
しかも我らが千葉ちゃんまで(ダマされたワタクシ)
(もちろん、全部じゃないよ!!)
しかし、真田さんに限っては吹き替え不可能だったらしい(そりゃそーだ。)

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仕事人の皆さんはさしたる見せ場もなく物語りは佳境に!
いよいよ怒濤のクライマックス!ここを盛り上げるためのみの今までの右京亮様のちょっとオカマ(?)な演出とここで始めて明かされる、この映画は

「メガネを取ったら実は美少女」
変型真田版アクション時代劇だったのだ!

(ホントかよ)

上様の気分でたまたまそこにいた腰元「お菊」は「18禁」に餌食になられます。
それを恥じて17才のお菊さんは井戸に身を投げられます。
そして、右京亮様はそのお菊さんの弟さんだったのです(!)。
ビックリ仰天のミッキーに不敵な笑みをもらす右京亮様。

その時です。「うっ」吐血される老中さん。すでに毒をもられた後だったのね。
んでこっからさー!
今までの優雅な佇まいが一転される右京亮様とそ仲間たち(お小姓の皆さんね)
さっきまで「当ててご労じなさいませ」とか言ってたのが「死ねっつーの」なんて江戸っ子口調に。
嗚呼、良かった。
オカマさんじゃなかったのですね、真田さん。
さてさて、ここからが右京亮様の見せ場でございます(待ってました!)

突然全てを知って家宅不法侵入同前で現れた中村主水さん。お怒りです。
しかし、今までお人形にしか見えなかったお小姓チームは誰ひとり動じません。
薄笑いすら浮かべてます。
しかも、太刀の構え方もキマッてます。

そうです、感情を押し殺した無表情でお人形のようなお小姓たちさんは…
実はJACの皆さんだったのです。
しかも、主水さん、JACの皆さんの殺陣にたじたじです。
さっすが全盛期時代のJAC、恐いもの無しです。強ぇーっ!(さすがは千葉ちゃんの手下の皆さん)

主水さん危うし!のところへようやく仕事人の方々登場(遅ぇーよ。)
少しずつ形成逆転の様子。そこへ満を侍して立ち上がった我が右京亮様。
(きゃー、すてき!)

そこにあった薙刀を掴むやいなや
「かかってこいっつーの!!」なんてオモシロイ口調を。
しっかし強い!なんて見事な殺陣!
今回は薙刀!
カッコいい!
カッコ良過ぎでしょう、真田さん!

折しも衣装は羽織り袴。
髪型はポニーテールの変型版。
手の持つ武器は薙刀!
いつしか髪は乱れ夜叉のような顔つきに(シビれます)
見事に決まる殺陣。
あまりに美しい画に長い殺陣シーン(ありがとう!深作監督!)
殺陣というより「舞」を見てるかと錯覚するのはワタクシだけ?(うん、君だけさ。)

もうちょっと見てたかったのに、かとうかずこさんが邪魔(銃で撃つ)をします。ちぇっ
「そんなんありかよ」とあくまでもオモシロイ右京亮様
2発も受けたのにエンターテイメントの手を緩めません。えらいですね。
そこんとこを主水さんズバッと斬ります。(なんか卑怯っぽい?ホントにいいヤツか?)
それでも、エンターテイメントを忘れない右京亮様は一回転ひねりで倒れられます。
素晴らしいですね。

 やっと終わったか....、のように見えたその瞬間、右京亮様がムクッと起き上がります。
ご老体に鞭打ってやっと倒したのに、こいつ不死身かと一瞬身構えるジジィ主水。
きゃー、さすがにただではお亡くなりにはならないのね!!と心ときめかす観客。
(ドキドキ)

 しかし、右京亮様は焦点の合わない目で遠くを見つめ
「....哀れ、お菊の...物語り......。」
べらんめぇ口調でフラフラと唄われ絶命されます。

なんか実はすっげー哀しい物語だったりするのです。
哀しみを一人背負い生きてきた右京亮様は確かに偉い人々をたぶらかしたり、悪いことをしたりして生きてこられましたがこの麗しさのみが武器の男をどうして責められましょう。
 嗚呼、やはりこの表現力。素晴らしい役者さんです、真田さん(敬礼!)


ワタクシがアクション時代劇の虜になっても仕方がない程オモシロイ映画です。
チョイ役ですぐお亡くなりになられる役にも室田日出男さんという濃い配役。
誰が主役かわらない程濃い千葉ちゃん。

気付けば「特別出演」枠に関わらず右京亮様しか記憶に残らないというのはホントですね。

必殺4 恨みはらします
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5 最高!千葉ちゃん&真田さん

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