真田広之 映画【D坂の殺人事件】

D坂の殺人事件

D坂の殺人事件
 ■1998,05,16(90min)
 ■監督:実相寺昭雄
 ■原作:江戸川乱歩
 ■出演:真田広之、嶋田九作、吉行由実、大家由祐子、三輪ひとみ、岸部一徳
 ■製作:東映=東北新社、配給:東京テアトル


  蕗屋さんステキ。もうウットリです。
のっけから魅せてくれます。ステキな御姿。
女性のお着物をお召しなられ横たわって筆を走らせるその仕草の何と雅なことでございましょうっ(すでに釘付け。)
ファーストカット30秒程で一回目のノックダウンです。イっちゃってる目が最高!!
江戸川乱歩の世界をただ存在するだけで魅せれる役者は君だけだ!!(これはマジ!)

  ******

さて、D坂界隈にお住まいの方々が乱歩観のために少々R指定な行為をされております。ここが苦手な方も「ノリノリ真田氏」を観るために頑張りましょう。

 そう、ノリノリ。
この言葉が何よりもハマる真田氏の演技。作品の出来自体とても素晴らしいのですが、
それ以上に素晴らしい真田広之の自己陶酔ぶり。
でも、実際キレイだからOKでしょう!
真田さんてホントに綺麗な人だなーと再確認できますな。

  ******

雅な姿のサービスカットから始まる蕗屋さん。
寡黙な方で多くを語りません。
そこがまた美しさに目がいくポイントでしょう。
まずは爪のお手入れなどされ、香水瓶みたいなガラス容器に筆を入れマニキュアを塗られ、ちょっと離して見て自分でウットリ(すでにいい感じ。)

そんなとこを時子さんと言う古本屋の女主人に見られちょっと狼狽
てか、陶酔してて人の気配に気付かないんだよね。(可愛い。)
で、蕗屋さんてば天才雁作師なので彼女から「責め絵」の雁作を依頼されます。

その絵を見た瞬間、眼光がキラリ☆
芸術家と倒錯家の心に....、いや身体に火をつけられます(そんな感じ、ステキ。)
そして吐いた言葉が
「私は高いですよ。」
そんな〜いくらでも〜(違)。

さて、「責め絵」の雁作に取りかかる蕗屋さん。
まずは「紙」を選びます。
その時の和服姿で箪笥の引き出しを開け紙を選ぶ所作の美しいこと(品が良い)

次に「色」を選びます。
この時、試験管にコルクで栓をした粉系の顔料を陽に透かしたりしながら選びます。
ここもすっごく動きが洗練されてます。
で、顔料を取り皿に入れ液体を指で溶く仕草がまたキレイなのっ(ホントに品が良い)

雁作を仕上げていく過程の所作が品が良くておキレイです(なぜかウットリな私)
ワタクシ的にはここのシーンが一番好きかも。

この時代の絵師の動きをとことん研究して身につけ、違和感なく...いや妖しいまでに美しく演じてしまうあなたが好き━・:*(〃∇〃人)*:・━!!!
全然しゃべらないのがこのシーンをグッと神秘的にしてるよねー。
しかも、いい具合にアブラののってる時期で最高雅な真田広之(マジ綺麗な男です)

んでさ、この時雁作を二部仕上げて本物は焼きます。
本物を口に銜えて南無〜、って手を合わせるとこが可愛い。
これが彼の流儀らしい。

  ******

 お話は流れ、雁作を絶賛されまた依頼されちゃいます。
しかも今度は手本はなく蕗屋さんの手に宿ってる力のみで作ってほしいと。
モデルさんまで提供され、燃える天才雁作師:蕗屋さん!
モデルのマユミちゃんに赤い襦袢を着せ髪を乱させ縄で縛り「責め絵」を描こうとされます。

何枚も下絵を描くんだけどさー、なんかノリ切れないのよねー。
で、マユミちゃんのモデル期限が切れちゃいます。
その時点で一枚も描けてません。
下絵を描いた紙が散乱した部屋で苦悩に頭をもたげる蕗屋さん

そんな姿を見せられるとマユミちゃんじゃなくてもつい襲いたくなりますよね
若いムスメに押し倒される蕗屋さん。
しかし、彼は口づけされても柔肌に触れさせられも男になれません。
そして●●を象徴するかのごとく突き出た天狗の鼻を撫で、脱力した蕗屋さんを見比べ、
あっきれてマユミちゃんは高笑いして出ていきます。

 ちょっと時間が経ちました。
我に還り起き上がるとマユミちゃんから口づけされた時の紅が自分の唇を朱に染めていることに気付きます。
目の前に鏡があったんですね。
思わず散乱している紙で紅を拭き取ろうとします。

しかし、ここがさすがは蕗屋さん。「ハッ」と気付きます。
 「目の前にいる理想のモデルに(!)」

 ここから始まるめくるめく真田ワールド!! (待ってました!)

赤い襦袢を身に纏い、おぼとれた鬘を付け、白塗りの顔に朱の紅をさし、
自らを縄で縛り鏡の前へ。

そして、なにかに(間違いなく美しい自分)憑かれたように筆を走らせる蕗屋さん。
段々その表情は恍惚としてまいります。
思わず「素か?」と思える程です。
いつしか胸元をはだけ、カメラさんはチラリと見える太ももをとらえます。
(男目線で見てしまう〜)

そして完成した責め絵のモデルはまさしく自分。もうウットリな蕗屋さん。
ここでファンサービスとも言える
舌先で筆をなめ
絵に自分の証であるホクロを描き込みます」
(この流れなのでこのシーンはかなりイケてます。)
 ステキです、真田さん。

  ******

さて倒錯の世界から何喰わぬ顔で完成品を時子さんのもとへ。
またもや大絶賛!!
余は満足じゃ。だって、この綺麗な女は俺だも〜ん!と思ってるところに衝撃の事実が!
あの責め絵のモデルは実は目の前にいる若かりし頃の時子さんだったのです。

 ひゅ〜るり〜〜〜〜〜〜〜。
(蕗屋さんの心を突き抜ける風)

蕗屋さん、しばし絶句。しばし呆然自失。無我の境地。大丈夫か?おいっ。
てなことで自分が本物になったんだからホントの本物はいらない。(蕗屋さんの流儀)
そう思った蕗屋さんは時子さんを殺害します。

この殺害の仕方がまた麗しいのですよ。
時子さんの部屋にて二人きり。
問いかけられ、後ろから首に抱きつき答えるふりしてナイスチョークスリーパー!!
有り体に言えば、後ろから首締めたのだな。

もがき苦しむ女に無表情に首を締め続ける男。
ロングで見れば妖し気な行為にも見える絡み合う男女。
んで、時子さんはお亡くなりに。南無南無と手を合わせ立ち去る蕗屋さん、満足気。

ここで真田マニアは思うだろう。
殺されてもいいから後ろから抱きつかれたい!
と(できれば耳に熱い吐息プラスで)

  ******

事件が起きたと言うことでストーリーは展開していきます。
古本屋の従業員さんが疑われ、そのことを新聞でみて無表情に食事をされる蕗屋さん。
しっかし、真田さんは「食べ方がキレイ。」だと思うワタクシ(品が良いねー)

途中心理テストを受けるシーンがあり和服姿全般だった蕗屋さんの洋服姿が見られます。
それだけでなんかドキドキするワタクシ。
(身に纏うフェロモンが溢れ出しそうなんだものっ。)

静かに答えていく蕗屋さん、なんか色っぽいんだー。
で、結局、どう見ても悪役にしか見えない明智小五郎さん(嶋田九作さん)の推理により蕗屋さんは追い詰められていきます。

その時の佇まいもふんわりと色気があって鼻血が出そうになります( ̄ii ̄; )
雅な中でちょっと憤慨したり、遠い目をしたりしながら語る姿はフェロモン満載です。
(出血多量で死ぬかと思った。ゼィ、ゼィ。)   

この映画は真田広之の雅なアップがいっぱい(ウッキー!!)
音楽といい、SEといい、光、陰影、アングルといい素晴らしい作品です。


江戸川乱歩の世界を映像美で魅せるとなるとこの映画でしょう!!
めくるめく淫靡な世界。
真田氏の起用が最高にハマってます。真田さんも見事に濃く応えてます。最高です。
ってか、濃く応え過ぎですよ、真田さん。
おかげでR指定=真田広之の妖しさ
と解釈せざるを得ません。

D坂の殺人事件
D坂の殺人事件
posted with amazlet at 08.05.10
東映ビデオ (2007-01-21)
売り上げランキング: 12233
おすすめ度の平均: 4.5
4 やっぱ買い
5 妖しきサナーワールド。

▲TOP

inserted by FC2 system